【理学療法士が教える】変形性膝関節症の原因と予防法
「膝の痛みが日常生活に影響を与えている」
「階段の上り下りがつらい」
これらは変形性膝関節症がもたらす一般的な悩みです。多くの人がこのような症状に苦しんでいますが、適切な治療法を知らずに我慢していることも少なくありません。
私は理学療法士として長年、関節痛の治療に携わってきました。このブログでは、変形性膝関節症の原因となる生活習慣や身体の使い方について解説し、実際のトレーニング例を通じて、どのようにして痛みを軽減し、より良い生活を取り戻すことができるのかをお伝えします。
痛みからの解放、快適な日常生活への第一歩を、このブログで見つけてください。
この記事を書いた人
重 広隆
【京都】パーソナルトレーニング整体Reglisse代表/理学療法士 「動ける体作り」をコンセプトに機能改善、健康的なダイエットサポートしています。理学療法士だからできるトレーニングメソッドを展開中!運動初心者の方、少しカラダに不安があるけど、トレーニングしたい方。ぜひ一緒にトレーニングしましょう!
変形性膝関節症とは何ですか?
変形性膝関節症とは、膝関節のクッションである軟骨が、加齢や過度な負荷などによってすり減ってしまうことです。
変形性膝関節症の主な症状は何ですか?
変形性膝関節症の主な症状は以下が挙げられます。
- 膝の痛み
- 腫れや熱感
- 運動制限
- 歩行時の不快感
膝の痛みは最も一般的な症状で、階段の上り下り、椅子からの立ち上がり、長距離を歩くなどの動作で痛みを引き起こします。朝のこわばりは通常30分未満であるといわれています。
変形性膝関節症に対する治療は何ですか?
変形性膝関節症は保存療法と言われる手術をしない治療と、外科手術に分かれます。
保存療法
・運動療法
・薬物療法
・物理療法
・装具療法
手術療法
運動療法
変形性膝関節症にはまず第一選択で行われる方法です。専門の療法士やトレーナーにメニューを組んでもらい、ストレッチやトレーニングを通して固まった筋肉や、弱っている筋肉をトレーニングし動きや痛みを改善していく方法です。
関節可動域練習
膝の筋肉を伸ばすストレッチや膝の曲げ伸ばしストレッチなどを行い、膝関節の動きを改善します。
筋力トレーニング
膝を支える筋肉を鍛えるために、脚を持ち上げたり、クッションを押しつぶしたりするなどの運動を行います。
有酸素運動
膝に負担の少ないウォーキングや水泳などを行い、血行を促進し、体重管理をします。
このブログの最後にReglisseで行う膝関節に対するトレーニングをご紹介いたします。
物理療法
膝を温めることで血管を拡張させて血流を改善したり、筋肉をリラックスさせたりするために行う温熱療法や、TENS(経皮的電気神経刺激)や低周波療法など、電気を利用して痛みを管理し、筋肉の機能を向上させるのが物理療法です。
装具療法
変形性膝関節症における装具療法とは、膝の痛みや変形を軽減するために、専用の装具を使用する治療法です。装具療法には、以下のような種類があります。
- 足底板:足の裏に傾斜をつけて、膝の角度を調節し、負荷を分散させる装具です。O脚やX脚の矯正にも効果があります。
- サポーター:膝を軽く締め付けて、保温や意識づけ、安心感を与える装具です。痛みの緩和や膝の安定性の向上に役立ちます。
- 機能的装具:膝関節の両側に支柱を持つ装具で、膝の横揺れや前後方向の揺れを防ぎます。膝の安定性や矯正力が高く、変形が進んだ場合にも効果が期待できます。
薬物療法
変形性膝関節症の薬物療法とは、痛みや炎症を抑えるために、薬を使用する治療法です。湿布などの外用薬や、アセトアミノフェンやNSAIDsと言われる抗炎症薬の内服薬、膝の関節内にヒアルロン酸を注射する関節内注射などがあります。専門のドクターに相談することをお勧めします。
手術療法
変形性膝関節症の外科的治療とは、保存的治療(薬や運動など)で症状が改善されない場合に、手術で膝の痛みや変形を解消する治療法です。
骨切り術と言われる膝の一部の骨を切って、膝の内側にかかる圧力を分散させ、アライメントを変えることで体重を受ける役割を軟骨の多く残っている部分へ移行させ、痛みを軽減させます。
人工膝関節置換術:痛んだ膝の関節を人工関節に置き換える手術です。特に膝の痛みを軽減できるとされています。
変形性膝関節症の治療は、症状や病期によって異なります。特に薬物療法や手術療法は専門医師の指示に従って、適切な治療を選択しましょう。
Reglisseで行う膝関節症に対するアプローチ
先ほども述べたように、変形性膝関節症のすぐに手術を行うわけではありません。まずはストレッチやトレーニングを行い痛みの出ない体作りから行われます。特に膝を安定させる体幹や、股関節のトレーニングを行い、変形性膝関節症で重要な大腿四頭筋(太ももの前)のトレーニングを行っていきます。以下がトレーニング例になります。
ストレッチ
うつぶせ膝パタパタ
自宅でもできる大腿四頭筋の動きを出すストレッチです。20回ずつを目安にやりましょう。踵がお尻に近づけば、膝が曲がりやすくなります。
足抱え膝伸ばし
太もも裏を伸ばすストレッチです。足首を上向きにして膝を伸ばしましょう!深呼吸しながら10回ずつやります。
トレーニング
腸腰筋
足の付け根にある筋肉を鍛えます。腰が曲がらないように足をあげます。10回ずつやりましょう。
大腿四頭筋
ボールがなくても結構です。背中を伸ばした状態で膝を伸ばしましょう!太もも前に力が入っているのを確認します。10回ずつやります。
まとめ
・変形性膝関節症とは、膝関節のクッションである軟骨が、加齢や過度な負荷などによってすり減ってしまうことです。
・変形性膝関節症は保存療法と言われる手術をしない治療と、外科手術に分かれます。
・ストレッチやトレーニングを行い痛みの出ない体作りから行われます。特に膝を安定させる体幹や、股関節のトレーニングを行い、変形性膝関節症で重要な大腿四頭筋(太ももの前)のトレーニングを行っていきます。